花に水をあげるのと同じ程度の愛を君にあげる。
花に水をあげるのと同じ程度の愛を君にあげる。
何も生み出せないとぼんやり思いながらポトフを煮詰めている。食べたいものが思いつかないから似たようなものを毎日食べて、似たような人を探している。少しずつ違う自分になる。
冷え性
さようなら、花吹雪。咲いて散って、散って、散って、まるで人生みたいだと月並みの私。過ぎ去った日々へ後悔へ。乾杯。どうなるかわからない未来へ乾杯。寂しさに潰された記憶に乾杯。愛に祈りを捧げている君が好きだ、永遠を怖がる君が好きだ、私の好きな春が嫌いな君が好きだ。
花吹雪
ロマンチックになりたいだけの海岸で、数時間前にどこかの港を出ただろう巨大な船を見る。風が耳と髪の間で音を立てて、煩わしいけれど私にしか聞こえていない。春がいつまでも来ない3月は、誰かのことを置いていかないように足踏みをしているようだった。平凡なまま日常に浸った右足、抗って流木の影を踏みつけている左足、真昼間の月。
テトラポット
最果てからここまで歩いてきた。1日、1ヶ月、1年、10年、もっと、歩いた先で見た月は綺麗だった。もう覚えていない1日目の月と同じくらい綺麗だった。足跡のつかないアスファルトで同じ道を戻っていくことは難しいから、あの日と同じ場所に行くことはもうないだろう。 最果てからここに来た。ここから違う最果てへ行く。
モノローグ