行方
春口裕子
#読了
保育園帰りに自宅近くの公園から忽然と姿を消した愛娘。
やがて二十数年の歳月を経て長らく止まったままだった時計の針が再び運命の時を刻み始める。
[犯人]を主軸に[その後]が描かれる中盤以降には被害者の家族はほとんど登場せず、そのことが言葉以上に時の空白、時の停止を語ることなく読み手に訴えかける。
犯人の身勝手な動機が事件の主因であることは疑う余地のない事実として、その背後に歴然と聳えるのはこの国が抱えるまさに社会悪。
この滅私奉公的社会悪慣習から目覚めない限り、今後も事件は終わらないのではと。
12.03.2026 20:51
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藤色の記憶
あさのあつこ
#読了
無理心中の途中で心変わりした男に土中に埋められ気付けば見知らぬ少年に救出されていた優枝。
そんな時幼くして別れた母の重篤の報が入り、優枝は少年と共に過去を辿る旅に出る。
少年の名を知り心に落ちてきた先日読んだ[緋色の稜線]との繋がり。
やはり今作も現実と幻想が透明感を持ちながら混交する世界で静謐と安寧が支配するストーリーが展開してゆく。
おそらくは魂の救済が主務であろう時間と距離のみならず生死すら超越してしまう少年の素顔。
何某かの恐怖や畏怖は感じながらも更にもう少し深く彼の心底を覗き見たいような。
11.03.2026 20:19
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わたしたちが泥棒になった理由
松尾由美
#読了
真面目に地道に唯々毎日を歩んでいたのが気付けばいつのまにか悪に手を。
などといった展開を予想していたのが中にあったのはなかなかのハートフルなミステリー。
同一職場で働く姉妹が財物を窃取する表題作もさることながらやはり最も非難に値する?のは少年を掠取したうえ連れまわし、更に金品を強取した[おばあちゃんの旅]。
あらためて感じたのは人間誰でもたとえそれが犯罪だとわかっていても敢えてそれをやるしかない状況に立たされることもあるということ。
果して自分たちはその犯罪の影にどれだけの実状を見ているだろうか。
10.03.2026 20:15
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乙霧村の七人〈新装改訂版〉
伊岡瞬
#読了
かつて忌まわしき一家惨殺事件のあった奥木曽の廃集落。
そして今またそんな地を興味本位で訪れた学生たちに再びの凶刃が襲いかかる。
やがて関係者の証言により明らかになってゆくかつての惨劇とその後の真実。
ふだん私たちが当たり前のように接触し享受している多種多様な情報。
果してそれらが真実を映したものだと誰が言い切れるだろうか。
あらためてこうした社会事件にしろ国際情勢にしろ、疑いの心を持ちながら一歩下がった俯瞰的位置から観察することの大切さを思う。
09.03.2026 20:18
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フランクと言えば京阪電車の京橋駅。
京都方面ゆきホーム大阪寄り売店の名物で、いつも保温ケースには100本以上がギュギュギュッと。
少ない時で一日700本、多い時だと一日に1000本以上、売れるそうです。
09.03.2026 11:15
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不思議の国のアリス
ルイス・キャロル
#読了
これまで数え切れないほどその名は耳にしながら気付けば未読だった名作中の名作。
まずは1860年代という某国ではやれ尊王だ攘夷だと騒いでいた頃に描かれた作品だと知りびっくり!
加えて凡そ英語が大の苦手な自分でさえ思わず原作英語版を確認してみたくなるほどあまりに見事な邦訳版での言葉遊びの数々にも。
文字を追ううち遥か昔に絵本で見た情景が何となく思い出され懐かしい気分に。
続編[鏡の国]もあるということでそちらもまた近いうちに。
08.03.2026 20:20
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おっしゃる通りだと思います。
08.03.2026 15:54
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点眼薬でも刺激というかそういう効能以外の差異があり、どうしてもジェネリックしか出さないという薬局から先発薬を出してくれる薬局に変えたことがあります。
08.03.2026 12:48
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何か果汁が主原料のようで、とても甘かったです。
3回飲めばクセになる、なんて言われているらしいんですけど。
08.03.2026 07:00
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くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町
高橋由太
#読了
森沢明夫さんの[夏美のホタル]を読んで以来、密かな憧れを抱いている房総半島山間部。
そして今作の舞台はそんな山合いに向かうローカル線。
さよならが主題の5篇の中ではやはりモノ云えぬ動物が主体の[ミケコの物語]が最も心に。
10年前、おそらくは今夜がと獣医から告げられた愛犬最後の日。
病院で治療を続けるか自宅で見守るか選択を迫られ、万が一の回復を祈り最後に一緒にいてやれなかった選択の正誤を今でも考えることがある。
もしどこかの駅で会えたらあの子はどう言ってくれるだろう。
07.03.2026 22:00
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ちなみに編曲したのは「栄冠は君に輝く」などで有名な古関裕而さんです。
07.03.2026 17:23
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初めてドクターペッパーというのを飲んだ。
夕食用にこれも初めてのバーガーキングのメニューを眺めてたらワッパーセットのドリンクメニューにその名を見つけ迷わずチョイス。
その名を初めて知ったのは1978年、まだ自動車がバスやタクシーを含め左ハンドルで道路の右側を走っていた頃の復帰後間もない沖縄で見かけた自動販売機。
しかしその時は気にはなりながらも口にすることはできず今回、48年目の夢実現。
感激と共に一気に飲み干した感想は・・。
07.03.2026 16:47
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どちらかというと4拍子の蛍の光より3拍子の別れのワルツの方がよく歌われているような。
07.03.2026 12:20
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そこで生まれ育ちました。
今、特定外来生物のクビアカツヤカミキリによる被害が広がっていて遥か遠地の故郷の宝を心配しています。
07.03.2026 12:07
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はじめまして。
こちらこそ、コメントをありがとうございます。
たとえ結果がどう転ぼうとも、それこそが人であり、生きているということかと。
06.03.2026 16:34
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終活中毒
秋吉理香子
#読了
思えば人生も折り返し点を大きく過ぎ、もういつ手を付けてもなどと感じていたまさにその時に出会ったそんな終活が主題の4短篇。
ということで馬には乗ってみよ、本は読んでみよと早速読み始めたのが、いきなりの残る日々を数えながらも幸せに暮らす夫婦の足下に迫っていたのは大どんでん返しの何とも不穏な影。
それでも消えゆく星の最後が如く思わず感涙するまさかの結末もあり人生、最後の最後までわからないなと。
そう[家に帰るまでが遠足です。]宜しく[棺に入るまでが終活です。]なのだと。
06.03.2026 03:02
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磁極反転の日
伊与原新
#読了
地球のN極とS極が反転し始め地磁気嵐による通信途絶や停電、寒冷化などの異常が頻発するようになった世界が舞台のパニックSF。
作家になる前は地球惑星科学の研究者であった著者が万人にも理解しやすく記してくれているものの、如何せんこちらはそもそも磁極反転という言葉を初めて知ったのが数年前に読んだ松岡圭祐さんの[水鏡推理]の中という全くの門外漢でなかなか頁が進まず。
奇しくもこの作品の発表後に人類が直面したウイルス禍を振り返りながら、困難ながらも正しく知り正しく理解することの大切さを思う。
04.03.2026 21:27
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日盛りの蟬
天羽恵
#読了
第6回大藪春彦新人賞受賞作。
敵討の手助けのため武士の藤岡と偽りの夫婦を営むことになった廓勤めのおさき。
やがてそんな二人は本懐を要に置きながらも次第に互いに引かれ合う心を深めてゆく。
僅か65頁の中にいわゆる起承転結が過不足なく配され1時間弱の読書ながら遥か悠久の時間を過ごしてきた気分に。
著者は以降も発表を続けておられるということでそれらもまた近いうちに。
しかし舞台となった徳川の世に限らず、[家]とはそんなに大切なものなのだろうか。
04.03.2026 00:25
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すみません。
送受信テストです。
03.03.2026 09:58
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美しいこと 【講談社版】
木原音瀬
#読了
読書管理アプリの文庫ランキングに出ていたので何気なく手に取り読んだら、いやスゴかった。
というよりよかった。
これまでBLジャンルは殆ど読んだことがなく、そしてこの作品がそのBLに属するか否かもわからないものの、そういう諸々関係なしにかつて読んだどの純愛作品よりもまるで我が身の如く喜び、そして涙した。
不器用だから忘れられない。
不器用なのに忘れられない。
切ない、という言葉はこんな2人のためにあるのかも。
残る部分も読んでみたいような。
02.03.2026 22:11
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生を祝う
李琴峰
#読了
子供を出産するためには事前に胎内の本人からの同意が必要な近未来の日本が舞台のある同性婚カップルの苦悩と決断。
読む前は彼女たち同様、比較的彼女たちと近い位置で立場ははっきりしていたのが、頁を閉じる時にはそれが変わったとかではなく微妙な存在に。
大学の頃よく聴いた人の定義に素質と環境に影響されつつ相対的自由を有するというのがあり、つまりはそれは正解不正解の問題でなく全くわからないということ。
今はただ、この物語の前提条件にすら達していないこの国の現実を思いながら彼女たちの決断を静かに見守るばかり。
28.02.2026 21:52
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ドイツのシーメンス製の機械の音ですよね。もっとも本場のドイツではこちらより加速がゆっくりなので、ドーーー、レーーー、みーーー、てな感じですが。
28.02.2026 07:15
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2026年2月の読了は24冊でした。
今月は、
二つの山河 /中村彰彦
復讐するは我にあり /佐木隆三
と、ノンフィクションに近いものをいくつか。
あと、登録している読書管理アプリの「Best User Award 2025」というものを頂戴することができました。
うれしい限りです。#
28.02.2026 04:33
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天神さまの花いちもんめ
嗣人
#読了
現代社会に溶け込み日々を送る神様たちの日常。
天神様こと道真公を主役に筑紫野太宰府の四季の移ろいとそこに住む人々の営みが語られてゆく。
前回読んだ著者の作品がホラーだったので覚悟をしていたのが今回は温かさと優しさが溢れ読み手であるこちらもついつい笑顔に。
思い返すかつての辛苦の情景に心に浮かんだのは唯々深い哀しみと強い憤り。
人の世の理に関わることは許されずそこに鎮まり人の思いの声を聞くだけの神という存在。
しかしむしろそういう存在だからこそ神は長らく人の尊びを受けてこられたのかも。
27.02.2026 21:25
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仮装身分捜査官 一条汐莉 アンダーカバー・クライシス
鳴神響一
#読了
待望のシリーズ続編。
今回の潜入先は連続現金・美術品輸送車襲撃、警備員殺害事件捜査のための警備保障会社。
身分を偽り潜入先で業務のサマリーを把握しながらターゲットの監視を始める汐莉。
しかしいつも思うことながら著者の関係法令等を含めての事前の下調べの緻密さには量質共に唯々驚かされるなと。
現役時代に勤めていた会社にも民間警備会社が入っておりその労苦は垣間見てきたものの、今回あらためて何も起こらないことが当たり前のまさに縁の下の力持ち的存在の大変さを実感。
26.02.2026 21:25
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銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて
ほしおさなえ
#読了
軽井沢に建つ小さなホテルで、ある者は今はもう会えぬ大切な誰かに、そしてある者は過去や未来の自分に手紙で想いを綴るシリーズ第4弾。
今作では教室に参加する料理長を通じて、ホテルが辿ってきた道や謎に包まれた手紙室長の過去のほんの一部が明らかに。
物語の方は3篇どれもが想いに溢れながらも、この日を見ずにして旅立った大切な人への手紙が最も心に。
たとえ開かれることがなくとも、読まれることがなくとも、語りかけてゆくことできっと何かが通じるのではと。
25.02.2026 20:25
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ガリバー旅行記
ジョナサン・スウィフト
#読了
遥か昔に絵本か何かで見た砂浜で小人によってロープで縛られ動けないでいる主人公の姿だけが記憶に残る未読だった世界の名作。
400頁超という分量に不信感を抱きながらもそれでも[めでたしめでたし]を予想して読み始めたのがそこに広がっていたのはメルヘンやファンタジーに属しながらも当時の英国社会や世界に対する痛烈な風刺が詰まったシビアな世界。
なるほどそれで300年前の発表時に出版社が勝手に自主規制版を刊行するという[珍事]が起きたのかと半ば驚愕、半ば感心しながら長きに亘って読み継がれる名著を堪能。
23.02.2026 20:28
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悲しい場面が出てこないか心配でかなり躊躇していたので安心して読めそうです。
23.02.2026 08:38
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お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか
清水俊史
#読了
先日法要がありさて困ったということで思わず手に取った一冊。
世間の相場や具体的な金額が紹介された便利帳的な内容を予想していたのが書かれていたのはそもそものお布施の定義から仏教の成り立ち歴史、果ては各宗派の教義等まで網羅された、ズブの素人である自分には十分過ぎるほど難解な内容。
それでもこれまで漠然と合掌するだけだったそれぞれの意味を知ることができ結果的にはなかなか有意義な時間に。
ちなみに法要のお布施の方は本当にいくらでも構わないとの寺からの返答がありお心ばかりを。
22.02.2026 20:31
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ロスト・スピーシーズ
下村敦史
#読了
南米アマゾンの密林が舞台のサバイバルミステリー。
米製薬企業の招きでガン特効薬の原料となる希少ユリ探査チームに加わった植物研究者の主人公。
しかし現地に着いたそんな一行に謎の武装集団が立ち塞がる。
そこは過酷な自然以上に[資源]をめぐる人と人との欲望が醜く激突する混沌の地。
あらためて個人や企業、国家の際限なき欲望の罪深さを思うと共にその犠牲となった決して少なくない人や動物たちの魂の安寧を祈る。
21.02.2026 20:17
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