ティア後リンゼル
ありとあらゆるジャンルで100万回見てきたネタがリンゼルで降ってきた
ティア後リンゼル
ありとあらゆるジャンルで100万回見てきたネタがリンゼルで降ってきた
そうであるならば、もはや笑みの一つも浮かべられぬ事も、当たり前なのだと諦められる
血の雨が降る
剣を振るう度、赤が舞い散って雨になる
生温かいそれが不愉快で、避ける術も磨かれた
時折、自分こそが化け物ではないのかと疑う事がある
人より強い力
並外れた生命力
飛び抜けた回復力
流石は退魔の剣士と他人は言う
けれどそれは、自分を人の輪から弾き出すものではないだろうか
お前は人の輪には入れぬと、違うものなのだと、線を引かれた気がした
自分たちとは違うものへの疑心、恐怖、嫌悪
ひそひそと隠し切れていない囁きを聞く度に、或いは面と向かってぶつけられる度に、何も感じぬようにと心を閉ざした
感情のままに振る舞うことは、彼等をより怯えさせるから
あゝ、この身が真実化け物でありますように
ブレワイリンゼル(?)
リンゼルだと思って書いたのでリンゼル
素晴らしい提案(7/7)
ティア後リンゼル
素晴らしい提案(4/7)
尚、タイトルはウェブボで募集して頂戴しました
泪は子守唄に溶ける6/6
ティア後リンゼル
泪は子守唄に溶ける3/6
リンゼル
100年前if
【後悔先に立たず】
出来心で書いちゃった
姫様ってこう、勢いだけで突っ走っちゃう所があるよねって……
㊗️リンゼルオンリー開催おめでとうございます🎊
lnzl
リンクが珍しく体調を崩した。頭が酷く重たく痛むらしい。朝食の用意をしようとするのを止めて休むよう言えば、ぐったりと横たわってそれきり動かなくなる。食事も摂りたがらないので中々の重症だ。眉間には少し皺が寄っている。可哀想だと、素直に思った。体調不良に慣れていない分、きっと余計に辛いだろう。櫛を通されておらずぼさぼさの髪を、そうっと手で梳いた。薄っすらと目を開けたリンクと視線が合う。青い瞳は直ぐに瞼の向こうへ隠れてしまったけれど、眉間の皺が解けていた。私の行為は歓迎されている。確信した私はリンクの頭を撫でながら、子守唄を口ずさむ。彼の苦し気な呼吸が、穏やかな寝息へと変わるまで、ずっと。
lnzl
リンクが竜になって帰ってきた。何がどうしてそうなったのかは分からない。今の彼は人の言葉は疎か、人としての意識すら持ち合わせていないのだ。それでも彼は変わらず私を見守り、護ろうとしてくれる。意思疎通は出来ないけれど、私が泣いていれば慰めようとしてくれる。彼の本質は何も変わっていない。それでも、こんなに淋しくて苦しいのだ。私が龍になったと知ったリンクの苦しみが如何ばかりであったか、今の私には想像に難くない。
「リンク……」
涙ぐんだ私を包み込むように、リンクは首を伸ばし翼で覆う。抱き着けば変わらぬ陽だまりの温もり。貴方を取り戻してみせる。貴方が諦めずに居てくれたように、私も、必ず。
私の研究室にも咲いていたという姫しずかも、いつか見に行きたい。否、いつかなんて曖昧なものではなく、必ず。その時は、リンクも一緒に。
「リンク」
「はい、なんですか?」
「ありがとう」
不思議そうな顔をした彼へ微笑めば、途端に彼の頬も緩んで笑みを形作った。勇者としての役目を終え、騎士としての身分からも解放されても、彼は私を大切にしてくれている。それがいったいどれだけ有難く、私の心の支えになっている事か。私を元気付けようと駆けずり回ってくれている彼に、お世辞でなく側にいてくれるだけで良いのだと、いえ、側にいてほしいのだと、どうしたら伝わるだろう。繋がれた手を握り締めながら、私は思案するのだった。
lnzl
「花見をしませんか」
リンクがそう言ったのは、私が漸く立って歩けるようになった時だった。
「お花見、ですか?」
「はい。村を出てすぐの丘に、姫しずかの花畑が出来てるんです」
「えっ! 姫しずかがですかっ?!」
百年前は絶滅を危惧されていた程なのに、花畑だなんて。俄かには信じがたいが、リンクが言うなら間違いない。
「そうなんです、驚きでしょう」
リンクは我が事のように顔を綻ばせ、嬉しそうだ。私にとって思い入れのある花を、彼も大切に思ってくれている。それがとても嬉しい。
「是非、花見をしたいです」
「行きましょう。お弁当も用意しました」
「とても楽しみです」
彼の手を取って立ち上がる。
「……なんて事もありましたよね。覚えていますか?それとも、忘れちゃったかな?あの嘘、確かに効果があったのかもしれません。だって、ゼルダはもう別れ話なんて出来ないし。別れ話も無しにこの状況って事はさ、俺は永遠にゼルダのもので良いって事だよね?貴女は自分の心は手放しても、俺は手放していかなかったから。ならさ、だったらさ、俺も、同じになっても良い?良いよね?魔王を倒したら、ミネルから秘石を貰う約束したんだ。ハイラルはちゃんと救うよ。頑張るから、だから、そのくらいのご褒美は貰っても良いよね……ゼルダ……」
白き龍は、優美に空を泳ぎ続ける。一人の男を乗せたまま、応えぬまま。奇跡が起こる、その日まで。
lnzl
「今日はエイプリルフールですね」
「エイプリルフール?」
「願掛けです。起こって欲しくない事を、敢えて嘘の話として語るのです」
「へぇ。そんなの100年前にありましたっけ?」
「この100年の間に生まれたようですね。なので、私たちも体験してみませんか」
「勿論良いですよ。でも何にしようかな。ゼルダはもう決まってるんですか?」
「はい!こほん……リンク、私たち別れましょう」
「っ…………これは、嘘だと分かっていても、中々」
「大丈夫ですかっ?!」
「はい、ゼルダがこの嘘を本当にしたくないんだと思ったら何とか致命傷で済みました」
「致命傷だと、大丈夫ではないのでは……?」
「あはははは」
lnzl
「リンク……」
呼び掛ければ、振り向いた空色の瞳が私を映す。片手で私の隣を叩いて示すと、意を汲み直ぐに腰掛けてくれた。真鍮色の髪へ両手を伸ばし、引き寄せる。抱き込む私の動きに逆らう事なく胸元へ預けられた頭部を撫でながら、私は蕩けるような心地で息を吐いた。耳を弄りながらつむじへ口付ければ、微かに肩を竦めて擽ったがるのが可愛らしい。
彼は人で、年頃の異性でもあって、だからこんな犬のような扱いをしてはいけないと分かってはいるのだ。けれど彼が寄せてくれる信頼を、親愛を、信念を、時折どうしても触って確かめたくなる。どうか許してほしいと、誰にかも分からぬ許しを請いながら、私は彼を抱き締め続けた。
ホットミルクこそが、ゼルダにとっては一番美味しいわけである。
それを伝えたら、ゼルダの頬は庭の木になるリンゴみたいに真っ赤になった。
lnzl
「ホットミルクが美味しく作れないんです」
そう言われたので、実際に作る所を見てみた。分量も手順も教えた通りで、おかしな箇所は見当たらない。
「特におかしな所は無いですけど」
「私もそう思うんですけれど、実際に飲むと美味しくないんですよ」
ため息を吐いたゼルダが出来上がったホットミルクを一口飲んだ。途端に目が丸くなる。
「……美味しい。リンクの作るホットミルクには及びませんが、確実に以前よりも味が向上しています」
ゼルダは心底不思議そうにしているけど、俺は理由に見当がついた。要するに、俺が一番美味しいと感じるホットミルクがゼルダの淹れたものなのと同じ理屈なんだ。俺が作って俺と一緒に飲む
思う存分にゼルダへの思いの丈を語っていたら、いつの間にかゼルダは真っ赤になっていた。どうやら意識が覚醒してしまったらしい。真っ赤な顔で睨まれても、可愛いだけなんだけどなぁ。
うっかり声に出してしまったから、俺はその後しばらく無言でゼルダの抱き枕に徹することになった。
lnzl
明日は一緒に二度寝しませんか、とゼルダから誘われて、断る選択肢などある筈が無い。朝が遅くてもすぐ食べられるよう前夜にしっかり仕込みを済ませた俺は翌朝、ゼルダと共に二度寝を楽しんだ。
最高の経験だったと言える。寝起きで意識のふわふわとしたゼルダは、俺を認めてほわりと笑ったかと思えば全身をすり寄せてきて、悪戯に首を噛んだり吸い付いたりした。あまりの可愛さに手を出したくなるのを懸命に堪えながら、俺は俺に懐くゼルダを甘やかす事に全力を注いだ。
いつもなら照れて恥ずかしがるゼルダが、はにかみながらも受け入れてくれるとか最高以外の何物でもない。二度寝万歳。ゼルダ可愛い。好き愛してる。
lnzl
冬の朝は、目が覚めてもベットの中でグズグズといつまでも起き上がらずにおくのが良い。一階からはリンクの作る朝ご飯の美味しい匂いが漂ってくるけれど、グッと我慢するのだ。すると調理を終えた彼の階段を上る軽快な足音が聞こえて、ベッドの横まで来ると優しい声と共に肩を揺すられる。わざと目を瞑ったままでいれば、私が寝た振りをしているだけだと分かっているリンクの楽しげな笑い声が響く。
「起きてください、俺の可愛いお姫様」
笑みを含んだ台詞と頬への口付けで、私はやっと目を開ける。視界一杯に広がる彼の笑顔と空色の瞳。この最高の目覚めの為に、私は今日も布団の中でグズグスと寝た振りを続けるのだった。
どうか素直に俺に大事にされていてください、可愛い人。
lnzl
ゼルダは可愛い。動きの分かり易い眉も、夏の葉っぱ色の大きな瞳も、柔らかな線の頬も、桜色の小さな唇も、ゼルダを形作る何もかもが可愛い。
ゼルダを愛してる。自分に出来る事を探して精一杯頑張るところも、好きな事には前のめりになって早口になるところも、何度傷付いて挫けて俯いても何度だって顔を上げる心の強さも、ゼルダを構成する何もかもを愛してる。
でもゼルダは自分自身を大事にする事が下手くそで、そこだけは唯一ゼルダの困ったところで、だから俺はゼルダの分までゼルダを大事にしたいのに、ゼルダは俺に大丈夫ってばかり言う。だけどねゼルダ、俺はもう騎士じゃないから、貴女の言う事を聞く義務はないんです。
ゼルダの頬が緩んだ。穏やかな寝息が響くのを確かめ、右手を掛布に仕舞う。ゼルダが魘される度に俺が起きているなど、彼女に知られるわけにはいかない。優しいゼルダは、きっと気に病むに違いなかった。
階段下の寝床に潜り込み、再び浅い眠りに身を委ねる。俺が大して睡眠を必要としない体質で良かった。いつかゼルダが自分を許せるようになるその日まで、必ず俺が護るから。今度こそ護るから。だから、どうか早く、ゼルダが幸せになる事を許して。そうしたら俺も、貴女が好きだって、漸く言えるようになるから。
lnzl
ハテノの家、小さな物音でもよく聞き取れる静まり返った夜、魘される声に目を覚ます。2階の寝台を覗き込めば眉を強く寄せた寝顔が。眦に涙が浮かんでは、直ぐに滑り落ちていく。厄災が倒れて尚、ゼルダは苦しみの中にあった。
「ゼルダ様、俺です、リンクです」
「リン、ク……」
ゼルダの右手が上がるのを、即座に両手で包み込んだ。
「ここに居ます。貴女が助けてくれから、生きて厄災を討てました。貴女がハイラルを救ったんです、ゼルダ様」
薄く、小さく、柔い手。武器を握った事も無いような手が、精一杯の力で俺の手を握る。
「ほん、とうに……」
「ええ、間違いなく。俺が信じられませんか?」
問い掛ければ、
よく俺が厄災を倒せると信じてくれたと思う。
「今も痛みますか」
「……少し」
こんなの、本当なら顔色一つ変えずに我慢出来る程度の痛みだ。小指を棚にぶつける方がよっぽど痛い。それでも、俺を案じて優しく慰撫してくれる手の温もりが離れるのが惜しくて、大丈夫だと言えなかった。
この後、ゼルダの体が冷えるからと寝台に帰そうとする俺と、俺の傷痕が痛むのを心配するゼルダでお互い平行線の言い合いになってしまい、何がどうしてか結局、俺たちは一つのベッドで眠るのが習慣になったのだけれど、本当にどうしてこうなった?
起きてから気が付いた。心臓が早鐘を打つ。
「リンク、どうしたんですか?魘されていたようですが」
ここで夢見が悪かったとか言い訳出来たら良かったのだが、寝起きの頭はゼルダの問い掛けに馬鹿正直に答えてしまった。
「傷痕が痛んで」
やってしまったと口を閉じても今更である。とんだ間抜けだ。階段を降りきったゼルダが俺の寝床を覗き込む。愛らしい眉は、俺の事を心配してすっかり下がってしまっていた。
「まさか100年前の」
「いや、起きて直ぐの、鈍りまくってた頃のやつ……」
人生で2番目に情けなかった頃の俺だ。1番目は勿論ゼルダを残して倒れた時。そのせいでゼルダはたった一人で厄災と対峙する羽目になったのに、
lnzl
100年前に負った傷は幾らか痕が残ったものの、綺麗に塞がっている。問題なのは鈍った体と勘を取り戻すまでの間に負った新たな傷で、こちらは思い出した様に痛むことが多々あった。なるべくゼルダには知られないよう何気ないフリをしていたけれど、やっぱり一つ屋根の下で暮らしていると隠し事をするのは難しい。
それはシンと冷え込んだ夜のこと。傷痕の痛みが夢の中にさえ忍び込んできて、俺は何せ夢の中だから自制なんてものはすっかり忘れ去っていて、どうしようもない痛みを誤魔化したくて少しばかり大袈裟に喚いていた。そうしたら階段の軋む音が聞こえて、俺は一瞬で跳ね起きる。現実でも声を出してしまっていたのだと、